元オリーブ少女のサバイバル大作戦

人生の禍福の縄をあざなってきた元オリーブ少女の日常の中の非日常。現在鋭意在宅勤務中。

映画「探偵物語」感想

探偵物語」観ました。

こういう時代(1980年代)のいわゆる角川のアイドル映画というものを初めて観ましたが、面白かったです。ストーリーも赤川次郎的な雰囲気が返って新鮮だった。

観るまでは、松田優作探偵物語の映画だと思い込んでいましたが、全然関係無かった。学生時代に松田優作の工藤に憧れてタバコのライターの火が常に最大になっている人がいたのを思い出しました。

この映画にまとわりついているような、淫靡で退廃的な空気感が好きです。ネオン街的な。ネオン街のキラキラした無駄な明るさって、真っ黒でどろどろとした欲望を覆い隠しているようで、とても好きなんです。こういうじとっとしているような明るいような空気感がある映画って、今の日本映画でもあるのかな?「その男、凶暴につき」にも似たような空気感を感じたんだけれど。あれば観たいです。今の日本映画って、陰と陽がはっきりしているように思えます。明るさは明るさ。暗さは暗さというか。もっと複雑じゃない?本当は。

それにしても、今こんな映画って世に出てくることあるのかな?と思ってしまった。普通のアイドル映画と思って観ていたらかなりセクシーな場面がたくさんあったのでドキドキしてしまいましたよ。あんなに裸が出てくる映画って、最近観ないよね。あの映画は中高生向きではないのかしら。でもそういう表現の制約が映画をつまらなくしているんだなと確信した作品でした。

秋川リサは29歳の役だったけれど、今の日本の29歳の女優であんな存在感を出せる人いるのかな?松田優作も33歳の役でしたけれど。あまりああいう個性がある俳優というのは思いつかないです。

私が一番好きな場面は、なんと言っても主人公の新井直美が部屋から聞こえてきた辻山と元妻の声を聞いて、自分の恋心に気付くところです(私はそう解釈した)。なんで私はこんなにショックを受けているんだろう…という呆然とした薬師丸ひろ子が可愛かったです。

 

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